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創刊70周年

スペシャルインタビュー

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vol.11 黒川博行スペシャルインタビュー

黒川博行

1949年愛媛県生まれ。83年『二度のお別れ』がサントリーミステリー大賞佳作。86年『キャッツアイころがった』でサントリーミステリー大賞、96年『カウント・プラン』で日本推理作家協会賞を受賞。

「堅気」の桑原が登場する、希少な一作かもしれません。

構成:西上心太、撮影:ホンゴユウジ

――疫病神シリーズの六作目『喧嘩』が文庫化されました。建設コンサルタント・二宮とイケイケヤクザ・桑原がコンビを組んで大暴れする人気シリーズです。直木賞受賞作である前作の『破門』で、桑原は意地を通した代償に重傷を負っただけではなく、所属していた二蝶会から破門されてしまいます。組の代紋を失って「堅気」となった桑原を描く難しさはありましたか。

黒川 彼のキャラクターは変わらないので、それは全くなかった。ただトラブった際に他の組から「返し」(報復)を受けた時の対応が難しいので、その点は工夫しました。いつもは桑原が二宮を利用するために巻き込むのに、今回は逆の形になったのも代紋がないからでしょう。

――これまでさまざまな利権や裏金に群がる金に汚い連中が登場しましたが、今回いよいよ政治家と秘書が相手です。

黒川 大阪府議会議員に取材したネタが割と入っています。地盤をどう譲るか、どのくらい金になるかなど。とにかく奴らは保守も革新も関係なく汚い。人間の屑ですね。政治を「職業」にしている連中を見るとほんと吐き気がします。だから何を書いてもいいと思ってます。どんな風にぼろくそに書いても、何かしら身に覚えがあるから、文句を言うてくることはありません。

――読む側もいっそう溜飲が下がります。

黒川 いままではありきたりになるから政治家なんか書く気はなかった。でも二宮が桑原を巻き込む話なら、政治家を出してもいいかなと。現実でもモリカケ問題なんかが出てきましたし。

――黒川作品の魅力はキャラクターですが、特にこのシリーズは際立っています。

黒川 二宮はぐうたらで、子供がそのまま大人になったような男。登場人物が読者より上の立場にいると抵抗がありますので、こいつアホやと読者に思わせるようには意識して書いてます。一作目の『疫病神』では時代もあり、もっと仕事も収入もあったのでこんなアホなキャラクターではなかった。二作目の『国境』からコロッと変わって依存体質になってきた。桑原はとにかく金のためにはフットワークが軽く、こんなにマメな男はいませんね。『国境』から二人のキャラクターが確立したのかもしれません。成長小説というのがありますが、このシリーズは正反対で、二宮は退化することはあっても成長することはないでしょう。

――二宮のいとこの悠紀も魅力的ですが、四作目の『螻蛄』から登場したオカメインコのマキも印象に残ります。

黒川 あれは自宅で飼ってるインコそのまま。名前もそうだし、二宮とマキがしゃべる台詞も現実通りです。頭に糞をされるのも。一緒に寝てるので、最近は顔にもされてます。

――あいかわらず二宮と桑原の会話が楽しいですね。テンポと力の抜け加減、絶妙なやりとりは他の追随を許しません。

黒川 これはいつも悩みます。あれこれ書いては推敲し、削っては加えて、ものすごく時間がかかります。いまだに原稿用紙一枚分を書くのに一時間かかるのもそのため。地の文はそんなに難しくないけど、面白い会話のための台詞は本当に難しい。
 僕の小説は端的に言えばキャラクター小説なんです。キャラクターが良くない小説はあり得ないと思ってます。本書も議員の事務所に火炎瓶が投げ込まれたという「事実」だけを冒頭に配置して、プロットは考えずにその場その場で話を転がしていきました。話の展開以上に、それをつなげる場面場面での会話が難しい。その会話の参考になるのが上方落語。しょっちゅう聞いてますが、あのくすぐりが本当に参考になります。「堅気」の桑原が登場するのは本書だけなので、そういう意味でも希少な一作かもしれません。

黒川博行 文庫最新刊
『喧嘩』
スペシャルコミカライズ!

4月24日に発売の『喧嘩』を、須本壮一が冒頭部分をコミカライズ!

『喧嘩』

喧嘩

最〈凶〉コンビが迎える史上最悪のピンチとは……「疫病神」シリーズ第6弾

ヤクザ絡みの依頼を請け負った二宮が頼ったのは、組を破門された桑原だった。議員秘書と極道が貪り食う巨大利権に狙いを定めた桑原は大立ち回りを演じるが、後ろ盾を失った代償は大きく――?

  • 定価:本体800円+税
  • 発売日:2019年4月24日
書籍詳細

抽選で10名様に黒川博行サイン入り
メッセージカードプレゼント!

応募方法

『喧嘩』(角川文庫)の帯についている応募券を郵便はがきに貼り、
①郵便番号 ②住所 ③氏名(ふりがな) ④電話番号 ⑤性別 ⑥年齢 ⑦作品の感想をご記入のうえ、以下のあて先までご応募ください。

応募券見本

あて先

〒102-8078 KADOKAWA文芸局「喧嘩 プレゼント」係

しめ切り

2019年6月30日(当日消印有効)

注意事項

  • はがき1枚につき応募は1口まで。おひとりで複数口の応募が可能ですが、当選は1口のみとなります。
  • 記入漏れや応募券が剥がれている場合、応募をお受けできません。
  • 当選発表は賞品の発送(2019年7月頃予定)をもって代えさせていただきます(発送先は日本国内に限ります)。
  • 賞品の譲渡(転売・オークション出品を含む)をしないことを応募・当選の条件とします。
  • 作品の感想は弊社の出版物や各種PR物に掲載させていただく場合があります。
  • 応募に際しご提供いただいた個人情報は、弊社のプライバシーポリシーの定めるところにより取り扱わせていただきます。

KADOKAWAアプリで書き下ろし
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角川文庫70周年&
『喧嘩(すてごろ)』出版記念
黒川博行サイン会 開催!

開催日時

2019年5月11日(土) 14:00~

会場

紀伊國屋書店梅田本店 2番カウンター奥特設会場

参加条件・応募方法

  • 紀伊國屋書店梅田本店にて、角川文庫 『喧嘩(すてごろ)』をご予約・ご購入頂いた先着100名様に②番カウンターにて整理券を配布いたします。
詳細はこちら

黒川博行 作品紹介

『破門』

『破門』

第151回直木賞を受賞した、エンタメ小説の最高峰。

映画製作への出資金を持ち逃げされたヤクザの桑原と建設コンサルタントの二宮。失踪したプロデューサーを追い、桑原は本家筋の構成員を病院送りにしてしまう。組同士の込みあいをふたりは切り抜けられるのか

  • 定価:994円(本体920円+税)
  • 発売日:2016年11月25日
『螻蛄』

『螻蛄』

最凶コンビ再び! 直木賞受賞作『破門』へ連なる「疫病神」シリーズ第4弾

信者五百万人を擁する宗教団体のスキャンダルに金の匂いを嗅ぎつけた、建設コンサルタントの二宮とヤクザの桑原。金満坊主の金を狙った、腐敗刑事や新宿系極道との騙し合いの行方は!?

  • 定価:1,058円(本体980円+税)
  • 発売日:2015年11月25日
書籍詳細
『疫病神』

『疫病神』

最凶コンビ結成! 直木賞受賞作『破門』へと続くシリーズ第1弾!!

建設コンサルタントの二宮は産業廃棄物処理場をめぐるトラブルに巻き込まれる。巨額の利権が絡んだ局面で共闘することになったのは、桑原というヤクザだった。金に群がる悪党たちとの駆け引きの行方は――。

  • 定価:788円(本体730円+税)
  • 発売日:2014年12月25日
書籍詳細
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